Goodpatchという会社で働き始めて、1ヶ月が経った。
特徴的なのは、コミュニケーションが盛んで、みんなデザインがベースにあるから、職種関係なく話しやすいところ。
同じ方角を向いてるかんじが良いなって思ってる。
社内で書いたエントリをここにも残しておく。
いつか「こんなこと言ってたなぁ」って笑える日が来ますように!
デザインむずかしい
最近は、デザインという途方もなく大きな概念と戦っています。
なんでこんなに試練っぽさがあるんだと考えたら、私にはデザイン思考がすっぽり抜け落ちているからなのですね。
この前、深津貴之さん×IBMの記事を読んで個人的にびっくりしたんですが、
元Diorのデザイナとして有名なジョンガリアーノなどを輩出しているセントマーチンズでは、デザイン思考がしっかり根付いているようです。
深津さんの発言を引用するとこうです。
学科の初回ブリーフィングで先生が言ったことが強く印象に残っています。『うちの学校はかっこいいテレビなどを作るところではない。それはスタイリングであってデザインではない。見た目のかっこよさを求めるのであれば違うところで学びなさい』と。
ファッションデザイナーが多く生まれる学校なので、どこよりも見た目のかっこよさ勝負のイメージでしたが、こうした指導があるんですね。
さらに、
その学校ではユーザーインタビューやリサーチ、プロトタイプを重要視されていて、仮説やコンセプトをどれだけ丁寧に練ったか?が評価のポイントでした。
ということでした。驚きでした。
一方でセントマーチンズ出身のガリアーノは、Diorでこういうドレスばっかり発表していたんですよ。
なんていうか「求めているものとは違っても、ここまで綺麗なものを突きつけられたら黙るしかない」みたいな圧倒的な表現力。
このレベルになると、もはや見た目のかっこよさを追求し続けて欲しいですが、これもデザインのひとつの顔であると思うと、本当に幅広いですね。
日本の美術教育
Gpは多摩美との共同プログラムをやっていますが、少なくとも私がいた女子美では、デザインの概念=根本的な課題解決、とはそこまで教えていなかったと思います。
授業に真面目に取り組んでいれば、気付くことはあったかもしれませんが笑
周りの子も、表現ベースでモノを作るので、私は出来た物にコンセプトを後付けしてタイトルつけてあげたりするのが得意でした。
何が言いたいかというと、 同じ「デザイン」で括られているけど、かたや「表現」、かたや「課題解決」なので、デザインが分からない…ということです。
アートディレクターという存在
そこで、100%表現者でも、デザイナーでもないポジションかなぁと思うのが、アートディレクター=ADです。
まずは著名な人の紹介を(好きなだけです)。
原研哉
フェミニンで情緒的で日本らしい作品が多く、余白というか余裕が漂ってる感じが好き。代官山蔦屋のアートディレクションをした人。
吉田ユニ
装苑という雑誌で初めて作品を見て、なにこのかわいい世界!と衝撃を受けた。星野源とかラフォーレとか、有名な案件も多いが、一番好きなのはこれ↓野田凪
アートディレクターというかほぼアーティスト。YUKIのアートディレクションを手がけていたのが有名。フランフランのこのCMを見て泣きました。
AD≒デザイナー?
先述のADがやっているような【視覚的に魅力的なもの作り】は、デザインなのかアートなのか。
ADはクライアントと一緒に仕事をするので、狙いやターゲットが決まっている上で、ある程度の設計やプロトタイピングはきっとするんだと思います。
でも、上記の事例を見る限り、ユーザー体験に基づいて作られているというより、クリエイティビティありきなものが多いですよね。 (理解できない人は別にいいよ、くらいの突き放した雰囲気すら感じます。私はそのくらいクセのあるものが好きですが。笑)
結局デザイナーとは?
表現力が命!のAD寄りなデザイナーと、課題解決能力が問われるデザイナー。
現時点では、両者の隔たりがありすぎると感じますが、本来同じデザインの文脈にある職業なので、うまく補完し合ったり、ゆくゆくは行き来できるようになる必要があるんだろうなと思います。デザイナーの可能性が大きすぎて怖いですね。
いま、「デザインを身近にする」ことを目的にいろいろな記事を出してみているのですが、デザインを知れば知るほど遠く感じることがあり、不安になります。
でもとりあえずは、デザインという広ーいプールを泳ぎきるイメージで、地道にやってみようと思います。 ※けおは泳げない
デザイン理解にオススメのメディアとか、本とか、著名人のツイッターとか、あったら教えてほしいです!